ピアノ(ポリエステル)鏡面仕上げの要となるのは “ポリエステル樹脂吹き付け”・”研ぎ”・”磨き”の3点です。各工程に熟練の技が必要となり、三拍子揃うことで初めて美しい鏡面仕上げとなります。

ポリエステル樹脂の吹付け

ポリエステル樹脂は一度にたくさんの塗料を吹き付けると、垂れてしまうため、”塗装→(化学反応)→ゲル化”を数回に分けて繰り返し行います。 吹付け途中に塗料が固まりすぎてしまうと積層が残り、最終工程で斑模様が現れてしまいます。塗装間隔は材料の特質・気温・湿度・塗布量に左右され、 木工塗料の中で特に取扱いが難しいとされている塗料です。吹付けの時点では、塗膜厚0.5~0.7mmになるまで吹き付け、次工程の研磨に耐える塗膜厚をつけます。 透明感と深みはこの塗膜の厚みから得られるものです。

研ぎ

ポリエステル樹脂の吹付け後、光沢はありますが塗面は凸凹し、映り込んだ物体が滲んで見えます。 塗膜の厚さや硬さを見極めながら、サンドペーパーの目の粗さを#240~#1200の間で段階的に変えて0.3~0.5mmになるまで研ぎ上げます。 機械を使ったハンドメイドで研ぐため、力を入れすぎると塗膜を削りすぎ剥げてしまいます。この研ぎをおろそかに行えば、表面の凹凸は消えず、 映り込みに歪みが生じてしまうため、熟練度が必要となります。鏡にも引けをとらない洗練された雰囲気はこの工程から得られるものです。 塗装会社の設備や技量によって、鏡面仕上げのクオリティに大きな差があります。

磨き

コンパウンド(磨き粉)を付着させた布製のバフを高速回転させ、塗膜を押し当てることで、表面の細かな研ぎ足を取り除いていきます。 しかし、摩擦熱により塗膜が高温になりすぎると、塗膜が焼け変色が起こり、艶もでません。長年の経験に基づいた職人の勘と技により、しっとりとした滑らかな手触りと艶が生み出されるのです。